Europe Journy 2018 

Day:1

4月26日成田を発ちスイス、フランスの旅に出ました。

27日早朝チューリッヒ空港に到着。早速レンタカーを借りて近郊の街シュタイン・アム・ライン(ラインの宝石)へ向かいました。街の中心部のハーフティンバー様式の建物が壁画(フレスコ画)で装飾された個性的で可愛らしい街でした。
チューリッヒへの帰り道、ついでにライン滝に寄ることにしました。事前知識も無く現地に到着したらあまりの迫力に仰天。高さこそ23メーターと低いのですが、幅が150メーターあって水量でヨーロッパ最大規模の滝なのだそうです。シュタイン・アム・ラインが主目的の日帰り旅行でしたが、脇役のインパクトが強すぎです。

 
この時期のチューリッヒ 周辺、晴天時は寒くもなく暑くも無くとても快適な気候です。
チューリッヒの後はストラスブールに移動して、フランス東部を巡ります。例年ヨーロッパレンタカーの旅を2週間で2500キロ程度の旅程を組んでいましたが、年齢を考えて今年は1500キロに抑え2泊滞在を基本の安楽な旅にしました。旅のお伴はBMW120d xDrive。リッター16キロと燃費が良くて高速も安定、ナビの分かりやすさも助かります。ランフラットのせいか、荒れた路面になると急に乗り心地が粗くなる傾向はありますが、信頼出来る相棒です。安全運転で行きたいと思います。


Day:2

チューリッヒを後にして、ストラスブールに来ました。

到着してみると、何と10年前と全く同じホテルなのでびっくり。ホテル名の後半が今時風に変わり、リフォームされSPA部門が新設されているので予約時に気づきませんでした。旧市街の真ん中にあり、進入禁止道路がこれでもかとホテルの周りをガードしているので、ナビでもGoogleマップでも車では中々近づけないのがウリ(笑)。10年前も迷いました。全く進歩も学習効果も無い話です。
 

 
ストラスブール(ドイツ語でシュトラースブルク)の語源はドイツ語で街道の街。ライン川沿いにフランス最大の河川港があり昔から交通の要衝として商業が発展しました。ドイツ領(神聖ローマ帝国など含む)になったりフランス領になったりを繰り返し、歴史に翻弄され続けた都市ストラスブール。ただ美しい街というだけでは無く、ゲルマン文化とラテン文化が融合した味わいと深い陰影を感じます。歴史への反省から、欧州議会の本会議場や欧州人権裁判所などを有し、EUのシンボル的都市とも言えます。
観光船の中からストラスブール大学が一瞬見えました。「ストラスブール大学の歌(ルイ・アラゴン、大島博光訳)」の一節を思い出しました。「教えるとは共に希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」。研修卒業式のメッセージとして時々引用しますが人材育成に係わる者としていつもはっとさせられる言葉です。
ストラスブールに2泊して、これから300キロ南下します。


Day:3

フランスの最も美しい村巡りとフレンチの老舗ラムロワーズとポール・ボキューズの比較。

ストラスブールを後にして、ストラスブールやリヨンの周辺の小さな村や街を回りました。
リクヴィル、ワン(Oingt)、ペルージュ、 コルマール、ル・ピュイ=アン=ヴレの5箇所です。最初の3つは「フランスの最も美しい村(2016年時点で153箇所認定)」に選ばれている人口2000人以下の小さな村で、昔の素朴なフランスの雰囲気を味わうことができます。リクヴィルは10年前より人気が出て栄えすぎ、ワンは逆に素朴すぎて素っ気ない、中世の雰囲気を残しながらも適度な賑わい感のあるペルージュの雰囲気が良かったです(個人の感想)。
グルメではフレンチの老舗(ミシュラン3星)のラムロワーズとポール・ボキューズを訪ねました。
ラムロワーズはシャニーという村(田舎の中の田舎)にあり、宿泊をしてディナーを頂きました。とても丁寧で温もりを感じる接客でした。5年間勤務されている日本人スタッフの女性がいらして「すっかりベテランですね」と申したら「30年勤務の人もいてまだまだ若手です」とおっしゃっていました。料理は素材の味を活かしつつモダンで洗練されたものでした。
一方のリヨン郊外にあるポール・ボキューズ。入口からコテコテの壁画があってぎょっとします(趣味が良いとは言えません)。しかし1965年にミシュラン3星を獲得して以来53年間守り続けるという老舗中の老舗。しかもボキューズ氏は「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」を創設。フランス料理の振興に絶大な貢献をされました。

 

料理は「ポールボキューズ」というコースを選択。スペシャリテの「フォアグラのエスカロープ パッションソース添え」、「V.G.Eに捧げるトリュフのスープ」、「舌平目のフェルナン・ポワン風」、「ブレス産 鶏のベッシー(豚の膀胱)包み」、「クレーム・ブリュレ(ボキューズが元祖」などを頂きました。どの料理も視覚的インパクトがあって、フレンチの王道感が強く有無を言わせぬ美味しさです。 「V.G.Eに捧げるトリュフのスープ」は レジオンヌ・ド・ヌール勲章を授章した際、午餐会でヴァレリー・ジスカール・デスタン大統領に供したスープとして有名ですが、これまで他店で頂いたパイ包みのスープとは全く違う次元の香りと味わいで感銘を受けました。ラムロワーズでの感動を上書きされてしまうほどのインパクト(あくまでも個人の感想ですけど)がありました。帰りにメニューの実物をお土産に頂き感動しながら帰りました。
一日おいて考えてみると、ひたすら温かみのあるもてなしと料理で心底寛げるラムロワーズと、外見も料理もコテコテでインパクトの強烈なポール・ボキューズ(サービススタッフの階層構造を強く感じました)。両者はフレンチの老舗ですが、ポジショニングが全く違い、どちらもファンが付いて繁盛しているようでした(両店とも平日の夜テーブルが満杯)。ポール・ボキューズにはスペシャリテ(定番)を求めてリピーターが通うと言われていますが、同じメニューばかりでは当然飽きられてしまいます。スペシャリテの数はとても多いようで、いかにして期待に沿いつつバリエーションをふやしてきたのか、もう少し歴史を研究してみたいと思いました。


Day:4 Part1

期待を裏切らない、100年の伝統と格式。

フランスのタロワールという村にあるオーベルジュ・デュ・ペール ・ビスという1903年創業のオーベルジュを訪ねました。10年前に宿泊して、その居心地の良さに感激していつか再訪したいと思っていましたが、一年前にジャン・シュルピスという新進気鋭のシェフにオーナーが変わり(今は正式名称はオーベルジュ・デュ・ペール ・ビス・ジャン・シュルピス)心配と期待が半々でした。
ジャン・シュルピュス氏は1980年レストランとホテルが家業の家に生まれ、21歳にして「レストラン・ジャン・シュルピュス」を開業、26歳でミシュラン一つ星、31歳で二つ星を獲得。そしてオーベルジュ・デュ・ペール ・ビスのオーナー・シェフに就任というのですからアグレッシブさに感心します。

 
料理はポール・ボキューズとは対極の新しいスタイルで、ベシャメル等濃厚なソースは使わずハーブを多用、素材を活かすという点では日本料理を想起させるものがあります。攻めの人生に相応しい革新的フレンチで美味しく頂きましたが、長年通ってきたお客の中には斬新なスタイルを嫌う人が居るかもしれません。
まだ、38歳のシュルピス氏ですが、ハーブを使った料理のレシピ本(大型の写真集のようなごっつい本です)を出したりして研究熱心さが伺えます。ディナー後は厨房を案内してくれて記念写真、チェックアウトの日にはフロントに立ってメニューにサインをしてくれました。ここまでしてもらっては、シャルピスさんのファンにならないわけにはいけません。オーナーのサービス精神が従業員に伝播しているようで、従業員の暖かいもてなしにも感激しました。伝統と革新の調和、いつか再訪したいと思います。創業シェフの世代交代が進む中、事業承継のモデルケースとなって欲しいと思います。


Day:4 Part:2

最後はチューリッヒに戻ってきて2泊。

チューリッヒはスイス最大の都市ですが人口は40万人弱しかいなくて世界の総合都市ランキング18位(GPCI2017)、歩いても回れる適度なサイズ感。街が清潔で安全、そして物価が高いです。
まずは、チューリッヒ美術館に。レンブラント、ルーベンスなどから、マネ、モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなどの印象派絵画、ムンク、ピカソやシャガール、ミロ、ダリまで見応え充分の作品が展示され、しかも日曜日なのにガラガラです。美術館の空間が絵と調和して気持ち良く鑑賞できました。
後はカメラを持って(3台ぶら下げて)街をブラブラ散策。音楽イベントやストリートミュージシャンの演奏を楽しみましたがレベルの高さにびっくり。

 
スイスはジュネーブやローザンヌに行っただけで関心が薄かったのですが、じわりと良さが伝わってきました。複雑な歴史の中で今のポジションをどうやって築いてきたのか学んでみようと思っています。
この旅行で動画編集が少し出来るようになりました。首からカメラ3台にジンバル+GoPro6。あ〜忙しかった(笑)。走行距離は田舎を色々巡ったので当初予定より300キロ増えて1800キロになりました。毎日一万歩以上歩いて体重3.5キロ減になったので何とかキープしたいと思います。苦手な血液検査を受けて数値を見て見たいぐらいの気持ち(あくまでも気持ち)。